化学S

Tue, 26 Sep 2023 11:00:33 JST (422d)
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使用コース Edit

監修講師(テキスト作成者) Edit

  • 駿台化学科の講師の合議で作っている。
  • 2018年度までの教授資料の執筆者は、石川正明先生、高田幹士?先生、吉田隆弘先生。
  • 2019~2022年度は執筆者移行期間。
  • 2023年度より、高田幹士先生、吉田隆弘先生。
  • 2019年度より、石川正明先生の執筆者勇退のため、高田幹士先生と吉田隆弘先生による4年間の引き継ぎ期間が始まった。
    • 監修担当は隔年周期で改訂されるテキストに則って、高田幹士先生は2019,20にPart1,2021,22にPart2を、吉田隆弘先生はその裏となっている。
    • 2023年度より、本格的に高田幹士先生と吉田隆弘先生のみの監修になる模様
      (2019年度化学S教授資料より)

構成 Edit

  • 前期は両方のPartで理論化学を学び、後期はPart1で無機化学を、Part2で有機化学を学ぶ構成になっている。
前期Part1前期Part2
第一章 原子第一章 気体
第二章 結合第二章 状態変化
第三章 結合-構造-性質第三章 溶液
第四章 酸・塩基と中和反応第四章 熱化学、反応速度、平衡
第五章 有機化学の基礎
後期Part1後期Part2
第五章 酸化還元反応、電気化学第六章 脂肪族化合物
第六章 沈殿、錯イオン生成、分解反応第七章 芳香族化合物
第七章 グループ別各論第八章 天然有機化合物
第八章 元素別各論第九章 合成高分子化合物
第十章 染料、洗剤、医薬品
  • 各章はいくつかの項目から成り、各項目は要項・基本チェック・演習問題から成る。章末には参考問題が数題ある。巻末には付録がついている。
    • 要項には学習の要点が1ページにまとめられており、講義で詳細が展開される。
    • 基本チェックには理解を確認し定着させるための問題が、演習問題には単元の最重要ポイントを含む問題が載っている。両者とも確実にマスターすべき内容であり、講義説明、基本チェック、演習問題をメインに学習していくことが期待される。
    • 参考問題もできる限り取り組むと良い。但しこちらは多少やり残しがあっても、講習の『化学特講I(計算問題)』(夏期)や『大化学』などで賄う方針が取れる。なお、参考問題はどの章も後ろの問題ほど難易度が高いが、その分解説が丁寧になる。
    • 付録には詳しい電子配置、混成軌道、エントロピーなど、発展的事項の解説が載っている。有機化合物の命名法や、その他授業で触れられない整理図なども載っている。

特徴 Edit

  • 関西化学科が方針とする、大学の化学の入門的なカリキュラムに沿って、要綱や問題が配列されている。
  • テキストはPart1とPart2が別冊になっている。
    • Part1では、理論化学と無機化学を学ぶ。まず構造の理論で物質の「静の姿」を学んだ後、基本的な反応のトレーニングを兼ねて酸塩基や酸化還元、その他無機反応を学び、最後に総括として無機の知識を元素別に整理する。
    • Part2では、理論化学と有機化学を学ぶ。まず状態の理論や反応の理論で反応の場に対する理解を深め、同時に熱力学的、速度論的な視点で反応を見る目を養う。その後、有機分野全体を、反応機構に焦点を当てながら系統的に学んでいく。但し、酵素速度論と第十章の範囲は年明けの化学Aで扱う。
    • 全体的に分量が多く、講師も生徒も大変である。本教材に関しては多くの講師が延長や補講を行い、特に補講を行う。生徒側としても、本教材を全部こなすのは至難だが、化学は範囲が広く、カバーする知識が多いので仕方がない。毎週コツコツ進め、復習も計画的にコツコツやるのが良い。溜めてしまうとリカバリーできなくなるので注意すること。
  • 夏期までに理論分野の勉強を応用力の養成まで終わらせておくのが望ましい。
    • 前期の間に要項、基本チェック、演習問題をきっちりと固めておくこと。また、余力があれば参考問題も手をつけておくこと。
    • 夏期の間に参考問題を周回すること。もしくは、夏期講習の『化学特講I(計算問題)』や『大化学』をやりこんでしっかりと演習を積んでおくこと。
    • 後期は無機・有機の勉強が中心になる。これらの勉強に軸を置きつつ、理論分野は教材の復習や過去問演習のみで学力の維持を図るくらいが望ましい。
  • 化学の背景にある理論をしっかり説明し、問題解説の中で解法/単元の最重要ポイントを示す授業を行うことで、このテキストは真価を発揮する。
    • テキストのストーリー性に反して独自の授業を展開する講師(北山一先生など)や、背景の理論説明よりも解法の提供を重視する講師(岡本富夫先生など)、問題に視点を置いて解説を広げていく講師などの場合、テキストの良さが活きないという意見もある。指導方針が違うと、最適なテキスト像は変わってくる。
    • また従来の高校での指導の誤りを指摘するため、あえてあまり宜しくない問題、新課程で削除された範囲等が講義用問題に入っていることがある。そういった部分を担当講師が普通に解説して終わらせた場合、本来得られるはずだったものが得られなかったことになる。
  • 岡本富夫先生など様々な先生が「最高のテキスト」と大絶賛している。
  • 星本悦司先生によれば、『重要問題集』のB問題、C問題レベル(『重要問題集』にCはないが、あるとすればということ)。
  • 嶋田竜人先生によれば、問題演習はテキストに載っている問題を完璧にすれば良いとのこと。
    • このテキストが完璧に解けるようになれば、『化学の新演習』レベルも解けるようになるらしい。

授業 Edit

  • 授業の方針はどの講師も大体同じである。
    • しかし、どこまで踏み込んだ解説をするかは講師によって大きく異なる。
  • 前期Part1は誰がやってもあまり差はないが、化学法則発見の歴史を丁寧に解説されると学習のよい動機づけになる。
    • また、電子配置や混成軌道を解説されると、後で無機・有機を深く理解できる。
  • 後期Part1の元素別各論はほとんど扱わないという講師も多い(北山一先生、片山雅之先生など)。
    • また、講義は行うが演習問題はプリントで済ます講師石川正明先生など)もいる。
    • プリントの多さで定評のある山下幸久先生が、解説プリントを途中までしか作れていないほど、知識量が多い単元である。
  • Part2は先生による内容の差(特に気体と有機)が激しいので良講師が当たるとHAPPY。
    • エントロピーや電子論まで踏み込んだり、単純な知識伝授に終始せず反応の見方が養われたりする授業もある。
    • なお、混成軌道をPart2で使用する先生はPart1で電子軌道を学習済みである前提で授業をする点に注意。

担当講師 Edit

  • 主な担当講師はPart1は北山一山下幸久先生など。Part2は嶋田竜人、所裕之先生など。石川正明先生、岡本富夫星本悦司先生などは両方担当する。
  • 関西の通期授業では基本的に石川正明先生の方針に従って、理論分野は混成軌道や電子論など化学の根底にある理論から説明が入り、有機分野では電子論を用いた反応機構の解説が行われる。山下幸久、高田幹士、嶋田竜人、坂田薫岡哲大、伊達正人、所裕之先生をはじめとする多くの講師が、この方針に従う。
  • 星本悦司先生などはあまり前面には押し出さず、また北山一先生や岡本富夫先生などは殆ど使わない。これは、大学入試の上では深い知識や背景は必要不可欠というわけではなくあくまで暗記の助けであり、入試問題に対応できるだけの知識と解法をマスターできれば良いと考えているためである。
  • Part1とPart2の担当講師の偏りを解消しようという話も一度出たらしいが、実現されずにいる(星本悦司先生談)。山下幸久先生は、自分で有機の方がどちらかというと教えるのが得意とおっしゃっているほどなので、是非Part2も持って欲しいところである。