法学部 のバックアップ(No.3)


 
  • 大学において、(本来は)法律をはじめとする法学を研究・教育する学部。
  • ここでは、法科大学院も合わせて記述する。
  • 概要
    • 学部
    • 法科大学院
    • 司法試験予備試験
    • 法曹コース(学部)

概要 Edit

  • 私立大学では、法政大学、明治大学、中央大学、関西大学など法律学校を前身とする学校は多い。
    • 早慶上智立教青学・関同立の法学部は、今では難関学部ではあるものの(年によっては最難関)、伝統的には看板学部ではなかった。
    • 中央法は早慶並みの難関であるが、法政、明治、関大の法学部は、伝統を考えると狙い目ではある。
  • 国立大学の法学部は、1980年代に入るまで、旧帝大7+一橋大・神戸大の9大学にしかなかった。

学部 Edit

  • 従来、法学部出身者の法律関係職への就職率はそれほど高くなく、法学部では(一部の私大を除き)実務教育は重視されていなかった。
    • 逆に言うと、法学部卒は就職の際に潰しが効くと言われ、法学部人気の一因でもあった。
  • 近時は、法科大学院(ロースクール)の設置に伴い、大学院との一貫教育が重視され始め、法学研究より実務教育(司法試験対策)に重点が置かれる傾向にある。
    • 法科大学院が新司法試験で合格実績を上げないと、同大学の法学部でも志願者が集まらないため。

法科大学院 Edit

  • 新司法試験受験には、原則として、法科大学院修了が条件となっている。
  • 新司法試験開始当初は、法科大学院が濫立されたが、一部の有名大学(多くは旧司法試験に実績のあった大学)に優秀な学生が集中し、無名大学や地方大学は十分な合格実績を残せなかった。
    • 合格者は東大・京大・早慶中の5校に集中している。
    • その結果、志願者が激減し、法科大学院を廃止してしまった大学も多い。
    • 一方で、一橋大学神戸大学など(法学部が看板学部ではないにも関わらず)、新司法試験になってから、さらに実績を伸ばした大学(法科大学院)も存在する。
  • 後述の「法曹コース」で飛び級が認められたとは言え、新司法試験受験には最低でも5年かかるので、それなりに覚悟が必要。
    • 修了後3年以内に合格しないと受験資格が消失し、年齢的にも一般的な就職は難しく、いわゆる潰しが効かなくなる。
  • なお、従来の大学院法学研究科と法科大学院は全くの別物である。
    • 法学研究科は法学研究が目標で、一部の私大を除き、実務教育はむしろ毛嫌いされていた。

司法試験予備試験 Edit

  • 新司法試験の受験資格としては、法科大学院修了以外にも司法試験予備試験というバイパスコースがあり、この予備試験はかなり難しい(合格率3%)反面、受験するための資格や条件はない。
    • そのため、医学部など他学部の学生でも、在学中に予備試験・司法試験に合格するという試験マニア猛者もおり、中には大学1年生で司法試験に受かる怪物もいる。(ただし、これらは例外中の例外だが…)

法曹コース(学部) Edit

  • 一部の大学を除き法科大学院が形骸化し、廃止になりつつある現状を受けてか、文部科学省は、法学部3年時までに必要単位などを取得した学生を対象に、早期卒業して法科大学院の法学既修者コース(2年間)に進める「法曹コース」という制度を2020年度に創設予定。
    • 最短5年で司法試験を受験できるようになる(現在は原則として、大学+法科大学院で6~7年かかる)。
    • 文科省は他校と連携すれば法科大学院がない大学でも法曹コース設置を認める方針のため、法科大学院が廃止された地方大学も法曹コースを設置予定。
      • 神戸大学法科大学院 立命館大学、同志社大学、新潟大学、熊本大学、鹿児島大学。
      • 九州大学法科大学院 鹿児島大学(予定)、熊本大学(予定)。
      • 千葉大学法科大学院 鹿児島大学。
      • 琉球大学法科大学院 鹿児島大学(予定)
      • 早稲田大学法科大学院 熊本大学(予定)。
      • 中央大学法科大学院 鹿児島大学、熊本大学(予定)。

※2020年度から2年次に設置予定で、2019年度入学生から対象となるため、司法試験受験予定の法学部受験生は志望校の設置予定を要確認。

一橋大学でも、法科大学院教育に接合した「法曹コース」(仮称)を設置し、早ければ2020年度の学部2年生からコース選択ができるよう検討を行っている。

※協定先の法科大学院への進学は、「特別選抜枠」で学部成績等で選抜される。

連携先の法科大学院への選抜方法は、法曹養成連携プログラム履修生の場合は、「5年一貫型特別選抜」(筆記試験以外の方法で合否を判定する入学者選抜)を受験することができる。

「5年一貫型特別選抜」の受験ができなかった、あるいは連携先以外の法科大学院に進学しようとする場合でも、「開放型特別選抜」(筆記試験を伴い、学業成績等と合わせて合否が判定される入学者選抜)を受験することが可能となります。

※法曹コースの学生が法科大学院の「一般選抜」を受験することを妨げるものではない。

ただし、特別選抜にはそれぞれ定員枠があり、法科大学院による選考が行われるため、プログラムを修了するだけで法科大学院への進学が当然に認められるわけではないことに注意が必要である。

 
  • 法曹コースに関しては、1年短縮されるくらいでは、予備試験に比べて魅力に乏しいという批判もある。