一橋大学 のバックアップ(No.37)


 
  • 東京に本部を置く日本の国立大学。
    • 国立(くにたち)大学ではない。
  • 通称は「一橋(ひとつばし)」「ワンブリッジ」。

概要 Edit

  • 直接の前身校は、1920年創立の旧制官立東京商科大学(一時、東京産業大学)。
  • 旧帝大ではないが、東工大、神戸大とともに、「旧帝一工神」として旧帝大並みの扱われ方をされることが多い(7帝1工2商)。
  • 東大、京大、東工大と合わせて「東京一工」とまとめられることもある。
  • 明治から大正時代にかけて、法科の帝大や早稲田の政治、三田(慶應)の理財、工業の蔵前などと並んで、「商業の高商」と言われ、日本の高等教育機関の代表格とされてきた。

特徴 Edit

  • 旧三商大(現・一橋大学神戸大学、大阪市立大学)の一つ。
    • 前身は、帝国大学に長く設置学科のなかった商学分野の官立実業専門学校の東京高等商業学校
      同校には明治 30 年代に正規の課程の上に「専攻部」が設置され,その卒業者には帝国大学同様に「学士」の称号が認められていた.官立専門学校中,唯一の例外であり,帝国大学と同等の「商業大学」への昇格を求めて,激しい運動を展開した.
    • 同じく旧制官立高等商業学校(高商)だった神戸大学とは兄弟校と言えなくもない。
       
  • 1875年(明治8年)、森有禮が東京銀座尾張町に私塾として「商法講習」を開設。
  • 1885年文部省管轄に。
  • 大正9年、東京高等商業学校が(旧制)東京商科大学に昇格し、官立で最初の単科大学になった。
  • 1920年に旧制東京商科大学、49年、新制一橋大学となる。
 
  • 実学の精神で社会科学総合的に研究。
  • 自由な校風学問的な懐の深さを誇る。
  • 比較的、地方出身者が多い。
 
  • 前身の東京商業学校~東京高等商業学校の附属商工徒弟講習が分離され、東京職工学校(東京工業大学の前身)に移管されたので、東京工業大学は兄弟校とも言える。
  • 前身の東京商業学校~東京高等商業学校時代に東京外国語学校(旧外語)を併合し、また、東京高等商業学校附属外国語学校東京外国語学校(新外語 / 新制東京外国語大学の前身)として分離されたので、東京外国語大学は兄弟校とも言える。
  • 戦後、東京農林専門学校(東京高等農林学校)、東京繊維専門学校(東京高等蚕糸学校)、山梨工業専門学校(山梨高等工業学校)との間で、商・農・繊維・工学部からなる総合大学構想が持ち上がっている。
    • 結局は東京商科大学は結局単独で新制一橋大学となったほか、山梨工専も新制の山梨大学になるため、残った東京農専と東京繊維専の2校で結局合併して新制大学化することになる(新制東京農工大学)。
       
  • 東京医科歯科大学東京外国語大学東京工業大学と「四大学連合」を組んで東大に対抗している。
    • 四大学連合(複合領域コース)により、東京医科歯科大学医学部保健衛生学科にも編入学できる(2年次編入,若干名)。
    • が、同大学医学部医学科および歯学部歯学科には編入学できない
  • なぜか医学部設置が悲願で、校内にも張り紙がある。
    • 「四大学連合」を口実に、東京医科歯科大学吸収を目論んでいる(?)。
    • その前に東工大と合併しろ。
  • 社会科学の研究総合大学」を謳っているが、人文科学も学ぶことができる。
    • 東京商科大学時代から、経済系にとどまらず、法学・社会学・政治学を射程に入れた社会科学の総合化が目標でもあった。
    • とりわけ、経済学も含め多くの社会科学は哲学から派生したものであるから、ひたすら経済経営系に耽溺することはなかった。
    • 事実、第二次世界大戦後に一橋大学が設置される際には文学部の設置が検討されたこともあった。
  • 経済学部では中高の数学の教諭免許状が取れる。
  • 数学系講義の内容は意外に地味に充実している。
    • 下手な私大の数学科よりは良いかもしれない。
    • 群論やテンソル解析など、普通は経済学でまず使わない範囲の講義もある。

学部 Edit

教養部(廃止) Edit

  • 前身は東京商科大学予科(1950年4月廃止)。
  • 1996年に大学設置基準の大綱化により解体された。
  • かつて教養部に所属していた教員は、あらためて学部、より正確には大学院所属に振り分けられた。
    • 一橋は商・経・法・社の四学部だが、形の上ではそれらの学部・大学院に所属しつつ、実質上はたとえば一年生に英語を教えるといった従来の教養教育を受け持つという、奇妙な形の教員ポストが生まれた。*1

全学共通教育科目 Edit

  • 一橋大学では、1年生のときから各学部での専門教育が始まり、いわゆる教養学部のようなものはありません。そのかわり、「考える基盤を養うための全学共通教育」として、卒業までの4年間にわたり、学部教育と並行して様々な教養科目を一定程度体系的に履修し続けることができるようになっています。これらの教養科目は、多くが学部・学年を問わず履修できるので、「全学共通教育科目」と呼ばれます。

商学部 Edit

経済学部 Edit

  • 英語・数学2科目で受験できる後期日程は、理系受験生のかっこうの併願先にされ、東京大学理科IV類と揶揄されている。

法学社会学部(廃止) Edit

  • 1951年に法学社会学部を法学部と社会学部に分離された。

法学部 Edit

社会学部 Edit

ソーシャル・データサイエンス学部 Edit

(入学定員:60名)※ 2023年4月開設予定

ソーシャル・データサイエンス学科 Edit

大学院 Edit

経営管理研究科(旧商学研究科) Edit

経済学研究科 Edit

  • 4年間の学部教育と1年間の大学院教育(修士課程)を有機的に組み合わせ、学部入学から4年後に学士の、そして、5年後には修士の学位を取得することができる「学部・大学院5年一貫教育システム」がある。
    • これを(以下「5年一貫教育システム」)と呼び、参加者は「5年一貫専修コース」、「5年一貫研究者養成コース」のいずれかのコースに在籍する。

法学研究科 Edit

法学・国際関係専攻 Edit

博士後期課程に「研究者養成コース」と「応用研究コース」が置かれている

法務専攻(専門職学位課程、法科大学院) Edit

修了者の司法試験合格率は高く、2018年現在、修了生の累積合格率は全国1位であり、文部科学省の加算プログラムでも、第一類型とされた。個別年では、2006年、2008年、2009年、2011年、2015年などに、全国1位の合格率を記録している
法務専攻法曹コース、法学部法律学科法曹コース(2020年4月新設)に伴い法学部・法科大学院一貫型教育選抜制度を設立、法科大学院入学試験(法律科目論文式試験)は免除される

社会学研究科 Edit

総合社会科学専攻 Edit

地球社会研究専攻 Edit

言語社会研究科 Edit

  • 1996年発足。
  • 学部としてはなく、一橋大学大学院にのみ設置されている教養学研究科。
    • 以前は大阪外国語大学の大学院にも設置されていた。
    • 教養部の後身に当たるが学部化はされなかった。
  • 略称は言社もしくは言社研。
  • 1996年に教養部の改組にあわせて設立された人文系の学際的・領域横断的な研究科。
  • 学部を持たない独立研究科でもある。
  • 構成教員は、旧教養部に所属していた外国語思想・文学研究者たちに、言語社会学を中心とした社会学者を加えたスタッフにより構成されている。
  • 日本語教育・日本語学・国文学・中国文学・韓国文学などの一部の分野においては東京学芸大学や国立国語研究所から連携教授が招聘されて、同研究科での論文指導に当たっている。

国際・公共政策教育部 Edit

(専門職学位課程、国際・公共政策大学院)

国際・公共政策専攻 Edit

国際・行政コース
公共法政プログラム
グローバル・ガバナンス・プログラム
公共経済コース
公共経済プログラム
アジア公共政策プログラム

ソーシャル・データサイエンス研究科 Edit

※ 2023年4月開設予定

ソーシャル・データサイエンス専攻 Edit

キャンパス Edit

小平国際キャンパス Edit

  • 旧制東京商科大学予科が、1933(昭和8)年に石神井から小平に移転した。
  • その後、小平分校(教養課程)が置かれていたが、1996(平成8)年、小平分校は4年一貫教育の編成により廃止される。そして新たに2003(平成15)年、「小平国際キャンパス」として再生し、今に至る。
  • 現在、国際共同研究センター、国際学生宿舎、小平国際ゲストハウス、如水スポーツプラザ、グラウンドがある。

国立キャンパス Edit

千代田キャンパス Edit

入試 Edit

  • 関西では、地元に同じく旧三商大である神戸大と大阪市大があるためか、あえて志望する受験生は少ない。
    • 関西駿台でも第一志望の人をほとんど見かけないが、東大志望で後期日程を受験する人はちらほらといる。稀に理系経済志望の東大受験者も後期日程に出願する。
  • 駿台では難関国立大学に指定されている。
    • その中でも社会学部が存在する数少ない大学。
  • 駿台西日本地区ではマイナーだが、東海地区、および福岡校には専門のコースが設置されている(スーパー一橋大)。
  • 駿台の志望大学別対策教材での略称は「H」で、ハイレベルの略称と同じで紛らわしい。
  • かつて(2008年度まで)は、商科大学だった名残なのか、商業高校からの特別選抜(商業科等推薦枠)があった。
    • 学力レベルの高くない商業高校からの合格例もあった。
  • 後期日程は経済学部のみの実施。
    • 英語、数学二科目のため、理系受験生も含め仮面浪人が多い。

概要 Edit

  • 一橋の中で経済学部のみ前期後期で数学が課される。
    • 2回のチャンスを最大限に生かすため、数学にはぜひ力を入れてください。
  • 2022年度入試から2次試験の地歴公民から「倫理・政治経済」の出題がなくなった。

英語 Edit

  • 太「一橋の長文は日本一難しいと思う。非常にいい問題です。」

数学 Edit

  • 鹿野「一橋数学はさー年にもよるけどさー東大より難しい場合が多いからねー文系では一番難しいと考えたほうがいいよ」

現代文 Edit

  • 林修2011一橋国語 「僕にはわかりません。」

日本史 Edit

  • 「一橋の場合,論述用問題集で論述の書き方を習得するとともに,過去問を素材として知識を整理する作業が不可欠です。小問ごとに青本や赤本,そして教科書などを参照しながら書くべき知識をカード(B6サイズが最適です)にまとめる作業をしっかりやっておくといいです。」(塚原哲也先生Twitterより)
  • 第1問(前近代)をあなどってはだめですよ!(塚原哲也先生Twitterより)
  • あくまでも帰納法的な推論ですが,一橋大日本史の得点差は,第1問の得点差と密接な相関関係で結ばれています。(野島博之先生Twitterより)

世界史 Edit

  • 「世界史的には一橋は(東大の)滑り止めにならないんだよねぇー」(渡辺幹雄先生)
  • しばしば一橋世界史にて「えーこの問題僕にはさっぱりわかりません。ここからは解説ではなく僕の愚痴を聞いてもらいます。」(東進ハイスクール・荒巻先生)

出身者 Edit

  • 高橋アキラ(法学部
  • 村田和之(大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学)
  • 矢野雅子(社会学部)




*1 河野真太郎「現代ビジネス」, 『私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々』, 2019.6.9, 講談社.