三國均 のバックアップ(No.1)
三國均(みくに ひとし 1934年 - 2005年9月)は、元駿台予備学校化学科講師。元化学科主任教授。理学博士。
経歴
- 東京理科大学卒業。
- 東京工業大学大学院修士課程修了。
- 専攻は物理化学。
授業
- 奇を衒わないオーソドックスな授業で人気を博した。
- 講義は、著書『化学入門』(駿台文庫)、『化学標準問題精講』(旺文社、三訂版まで)そのままだった。
- 板書は『化学入門』のダイジェスト版であった。
- 講義や板書を著書にしたので表現が逆である。
- 優しく語りかけながら、ひたすら板書する授業で、受講生は講義中、ノート取りに終始した。
- そのため、石川正明師の「考える化学」と対比的に「書く化学」とも呼ばれた。
- ちなみに、関東駿台化学科で三國師と双璧だった小倉勝幸師も「考える化学」と呼ばれていた。
- そのため、石川正明師の「考える化学」と対比的に「書く化学」とも呼ばれた。
- レギュラー授業は、上級者にはやや物足りなかった。
- 1980〜90年代当時の東大理系コースや医系コースの学生の中には、特待生として代々木ゼミナールにも籍を置き、
師の講義をカットして、大西憲昇先生(後に、宇野正明先生)の「東大化学ゼミ」を受講する者も少なからず見られた。
- 1980〜90年代当時の東大理系コースや医系コースの学生の中には、特待生として代々木ゼミナールにも籍を置き、
- 有機化学の数辞の説明で、「テトラポット」を「トテラポット」とわざと言い間違えるのは、師の数少ない持ちネタである。
担当授業
- 90年代半ばまでは、
3号館の午前部理1α〜東大理系スーパーの全クラス、難関国公立クラスの上位2クラス、
市谷校舎の午前部理3α〜医系スーパー、午前部理3β~ハイレベル国公立医系の上位2クラス、
八王子校の午前部理特〜東大理系スーパー、早慶理系スーパーを担当していた。 - 新宿校の東大理系スーパーに出講した年もある。
- 1993年に札幌校が開設した一年間だけ、通期で出講していた。
その時の相方の講師が、鎌田師だった。 - 90年代後半からは、
3号館の東大理系スーパーの下位クラス、京大理系スーパー、
四谷校の医系スーパー、
八王子校を主に担当していた。 - 冬期講習の「化学特講」(三國師が教材を作成)は、無機分野の難問対策で東大受験生に人気があった。
通期
- 化学AⅠ(2時間)
- 市谷校舎・午前部理3α(A組・B組) 1988年度
- C組・D組は吉永師。
- 市谷校舎・午前部理3α(A組・B組) 1988年度
- 化学AⅡ(1時間)
- お茶の水3号館・午前部理1α(A〜D組?) 1988年度
- 化学AⅠはA組・B組は小倉勝幸師、C組・D組は吉永師?。
- 市谷校舎・午前部理3β(E組・F組) 1988年度
- G組・H組は小倉勝幸師。化学AⅠは三門恒雄師。
- お茶の水3号館・午前部理1α(A〜D組?) 1988年度
- 化学S−Ⅰ
- 市谷校舎・医系スーパー(C組・D組) 1992年度
- A組・B組は大橋師担当、S−Ⅱは三門師担当。
- 新宿校・東大理系スーパー(A組) 1992年度
- S−Ⅱは関藤裕司師担当。
- お茶の水3号館・東大理系スーパー(SC) 2004年度
- 市谷校舎・医系スーパー(C組・D組) 1992年度
- 化学S−Ⅱ
- お茶の水3号館・東大理系スーパー(上位クラス) 1992年度、1993年度
- 下位クラスは小倉師担当、S−Ⅰは石川峻師担当。
- 市谷校舎・医系スーパー(A組・B組) 1992年度、1993年度
- お茶の水3号館・東大理系スーパー(SC) 2003年度
- お茶の水3号館・難関国立大理系スーパー 2004年度
- お茶の水3号館・東大理系スーパー(上位クラス) 1992年度、1993年度
- 化学A-Ⅱ
- お茶の水4号館・難関国公立大理系セレクト(A組・B組) 1992年度
- A-Ⅰは三門恒雄師担当。
- C組・D組はA-Ⅰ杉本忠身師、A-Ⅱ関藤裕司師担当。
- お茶の水4号館・難関国公立大理系セレクト(A組・B組) 1992年度
講習
春期講習
- スタートアップ化学
- 化学特講
- 東大化学
冬期講習
- 化学特講
- 東大化学
- 有機化学の完成(サテネット21)
- お茶の水4号館(ライブ講座)
直前講習
- 東大化学
特設単科講座
- 化学・三國講座 お茶の水校
- 人気講座。午前部の授業よりもやや難しい教材を使っていた。
- 誰でも得意になれる化学ー理論化学と無機化学ー お茶の水校 - 2004?年度
- 2004年度の代講は神林宏征師。
- 化学 基礎から完成まで(サテネット21)
人物
- 化学者(物理化学)。
- 元化学科主任教授。
- 長年(1999年度に石川正明師編集の関西教材が関東にも導入されるまで)、テキストも編集しており、『化学標準問題精講』(旺文社、三訂版まで)と問題がかなり重複していた。
- 長年、『傾向と対策』(旺文社)の執筆を担当するなど、大学受験化学の第一人者だった。
- 1964年度には既に駿台講師をしていた。
- 現在に通ずる受験化学の方法論を確立した人物。
- 初級者や苦手な人に人気があった。
- 上級者には軽視されがちな師であったが、講習の『化学特講』や、著作の『難関校突破のための 化学特講90』(旺文社)、およびその改訂版である『特ゼミ 大学入試 三國の化学』『特別講義 精選化学IB・II問題演習(応用編)』でもわかるように、決してハイレベルな講義や理論的な解説ができなかったわけではない。
- 関西の講師も三國師が作成した東大実戦模試の化学の問題を褒めており、教材に使うとき許可を得ていたという。
- 顔や雰囲気が北野大氏に似ていた。
- 市谷校舎で、若き日の石川正明師にもぐりで受講生を獲られた師が激怒して、石川正師の関東へのレギュラー出講を止めさせたという伝説がある(ただし、真偽は不明)。
- 石川正明師編集の分厚い関西教材の導入には、最後まで反対していたとも言われている。
- 旺文社の「大学受験ラジオ講座」にも出講し、講義がカセットテープ教材として市販されていた。
- 最晩年は授業中に「手が痺れる…」とこぼしていた。
- 2003年、水泳中に手が痺れて動かなくなり、その後、首の動脈からの出血が原因で倒れ、意識不明の重体に陥り入院し、そのまま休職、引退となった。
著書
学習参考書
- 『必修 化学 問題精選(駿台受験叢書)』(三國均 駿台文庫、1985年7月)。
- 後継は、『センター試験短期攻略問題集 化学(駿台受験叢書)』(関藤裕司 駿台文庫、1991年11月1日)
- 『大学受験必修 化学入門(駿台受験叢書)』(三國均 駿台文庫、1987年6月)
- 『新・化学入門 <化学IB・II>(駿台受験シリーズ)』(三國均 駿台文庫、1996年4月)
- 『新・化学入門 <増補改訂版>(駿台受験シリーズ)』(関藤裕司・三國均 共著 駿台文庫、2005年11月8日)
- 三國均著・関藤裕司補訂。
補訂者に過ぎない関藤裕司師が筆頭共著者であることに、憤りや強い違和感を抱く昔のOBは少なくない。
- 『大学受験必修 化学入門問題演習(駿台受験叢書)』(三國均 駿台文庫、1990年11月)
- 『新・化学入門問題演習 <化学IB・II>(駿台受験シリーズ)』(三國均 駿台文庫、1997年7月)
- 増補改訂版(三訂版)は関藤裕司師著。
- 『新作問題集』(旺文社)
- 当時の駿台テキストと同じ問題が載っていた。
- 『化学標準問題精講』(三國均 旺文社、1984年2月10日、1991年3月1日(改訂版))
- 当時の駿台のテキストと問題がかなり重複していた。
- 『化学IB・II標準問題精講 [三訂版]』(三國均 旺文社、1996年2月1日)
- 四訂版(化学I・II)以降は、鎌田真彰師、橋爪健作師が引き継いでいる。
- 『化学IB・II標準問題精講 パワーアップ問題集』(三國均 旺文社、1998年12月)
- 『難関校突破のための 化学特講90』(三國均 旺文社、1985年)
- 『特ゼミ 大学入試 三國の化学』(三國均 旺文社、1990年)
- 上記の改訂版。
- 『特別講義 精選化学IB・II問題演習(応用編)』(三國均 旺文社、1999年2月15日)
- 上記の改訂版。
- 『基礎化学問題精講』(三國均・小倉勝幸・関藤裕司 旺文社、1988年3月)
- 小倉勝幸師、関藤裕司師との共著。
- 三國師は理論分野を担当。
- 『基礎化学IB問題精講 改訂版(基礎問題精講シリーズ)』(三國均・小倉勝幸・関藤裕司 旺文社、1995年3月)
- 上記の改訂版(新課程版)。
- 『化学IB・II基礎問題精講(基礎問題精講シリーズ)』(三國均・小倉勝幸・関藤裕司 旺文社、1998年9月)
- 小倉勝幸師・関藤裕司師との共著。
- 三國師は理論分野を担当。
- 改訂版(化学I・II)以降は、鎌田真彰師、橋爪健作師が引き継いでいる。
- 『三國の精選化学問題演習』(三國均 旺文社、1992年10月)
- 『大学受験 精選化学IB・II問題演習』(三國均 旺文社、1996年5月1日)