大学入試センター試験 のバックアップ(No.2)
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センター試験
- 大学入試センター試験とは、独立行政法人大学入試センターによって、例年1月13日以降の最初の土日に行われる、日本の大学の共通試験である。
概要
- 1989年度(1989年1月実施)までは「大学共通第1次試験(共通一次)」と呼ばれていた。大学個別試験を二次試験と呼ぶのはこの名残である。
- 全教科全問マーク式の試験。
特徴
- 全教科全問マーク式の試験。
- 最も怖いのがマークミスである。マークミスに気づかず出願して足切りを食らった、なんてことのないように常日頃から問題を解いた後のマークチェックを忘れないこと。
- ほとんどの国公立大学では、一次試験として国が作成するセンター試験を課し、二次試験として各大学が作成する個別試験を課す。
- 私立大学でもセンター利用入試などでセンター試験の成績を用いることがある。また、東大などセンター試験の成績を二次試験の足切りに用いる大学もある。
- 早大政経、法などのセンター試験利用入試には、理系の超高得点者が出願している。
- 問題形式が独特な科目が多く、試験時間の割に問題量(設問数ではない)が異常に多い。
- 受験生の実感としては、表に顕れる平均点以上に、年度ごとの難易差が激しい。
- 難化しても超高得点を取る層が一定数存在するため、平均点が意外に下がらないことがある。
- 得意不得意、問題の難易度如何に関わらず、数学、国語はハマると大量失点しやすい。
- 選択肢は、テクニック(肢だけ見比べて見て正解を導き出す「例の方法」や「津田秀樹式裏ワザ」)が通じないようによく練られている。
- 常に新奇の出題をしようと創意工夫しており(予備校や対策書の裏をかこうとしており)、毎年、受験生は「今年は傾向が違う!」と感じる。
- 受験をよく知らない人は、「基本的」、「教科書レベル」と実態を知らずにナメがちである。
- 日本大学商学部に一般入試で合格したことのあるお笑い芸人の春日俊彰氏でも、半分程度の得点だった(2018年度)。
- 難関大志願者ほどナメていることが多く。配点の低さを理由に一切対策をせず、二次ばかり勉強してセンターの受験の後に後悔するケースが少なくない。
- 東大文三に現役合格したことのある堀江貴文氏は、653/900点(72.6%)/文一足切り628点(2019年度)。
出願
- 出願に関しては検定料支払が9月初頭〜10月中旬、出願が10月初頭から約2週間である。
- 現役生は学校で出願するが、浪人生は個人で一連の手続きを行なければならない。
- 出願書類は校舎で貰えるので、絶対忘れないようにしよう。
- 卒業証明書は、発行年は問わないが、コピーは不可(要確認)。
- 高卒認定試験合格証はコピーでも可(要確認)。
- 検定料支払時に追加料金を支払うことで成績開示を希望できる。
- これは採点ミスなどの指摘を行う必要が出てくるかもしれない時のため、必ず希望しておこう。
- 出願期間が非常に短いので、浪人生は要注意。
自己採点・成績開示
- 出願時に成績開示を志望した場合、センター試験の結果は二次試験が終わった後にハガキで送られる。
- そのため二次試験までは自己採点によって自分の点数を計算することになるので、センター試験の問題冊子(持ち帰り可)に自分の解答を残す癖を普段から付けておこう。
- センター試験は試験後、当日に解答が発表される。
- なので1日目の問題の自己採点は当日にできるが、採点して点数が悪いことに気が付いたところでどうしようもない上に、2日目のコンディションに大幅に響くので、自己採点は2日目の試験が終わってから2日分まとめてやろう。
センターリサーチ
- センター試験後は自己採点集計を駿台・ベネッセと河合塾が行っている。
医学部など、定員が少ない学部・学科の志願者の中には、高得点の虚偽申告をしてデータの撹乱を謀る者もいる。- A判定でも落ちる人の割合は3分の1くらい。(二次の配点が高い場合)
対策
- 問題形式が
奇怪独特な科目が多く、試験時間の割に問題量が異常に多い(設問数ではない)ので、いわゆるプロパー(専用)の対策と大量の実戦演習が必要となる。- センター試験は大の得意だが二次力が非常に低い生徒もいれば、MS、SSクラスにおいてもある程度上位に入れる実力の持ち主が8割程度の得点しか取れなかったりする不思議な試験である。相性の部分も大きい。
- たまたま高得点を取れた人や超得意な人が、簡単、簡単と連呼するが、真に受けてはいけない。
- どのタイプの試験にも言えるが、傾向を追いかける勉強は無意味である。それぞれの科目の本質を突いた学習こそがセンター試験での高得点の唯一の秘訣である。よって、過去問演習は問題形式(マーク試験)への慣れのためだけでなく、当該科目の学習のために行うこと。(竹岡広信先生談)
- だいたいの受験生は11月〜12月頃から本格的に対策を始める。
- その結果センター試験後にセンターボケを引き起こす。
- 大学入試センターは予備校の模擬試験をチェックしているらしく、的中はないとされる。
- 的中した場合、本試と追試の問題を入れ替える。
- 本試が追試より難しい年度があるのはそのため。
- ただ直前期だからか、『CP』は毎年数問的中させている気がするので重点的に復習しよう。
- 2018年は地理のグラフや、化学のイオン濃度の変化などが的中したり、2019年英語の第6問の内容が非常に似ていたりしていた。
- なお、マーク模試やパックVなどの予想問題集はセンター試験の問題と比べて似ても似つかない(質的にも劣っている)ケースがある。
- 駿台現代文科の某人気講師曰く、「忙しい予備校講師が数ヶ月で作った模擬問題が、作成部会が2年間かけて作った問題に敵うわけがない」とのこと。演習は過去問を最優先したい。
- 中野芳樹先生は、例年、『冬のセンター現代文』について、受けるなら早期に受講し、模擬問題ではなく過去問研究を丁寧にこなすことを強調なさる。
- 「こんなこと言って来る奴いた。『先生、過去問と実践問題集どっちが良いんですか?』この質問ヤバくない!?ウンコとカレーどっちが良いですかって聞いてるようなもんだよ??」(竹岡広信先生語録より)
- 「河合塾パック竹岡も解きました。解なしの問題がたくさんありました。」(竹岡広信先生語録より)
- 「アホパック!河合塾パック!Z会パック!顔パックしとけ!」(竹岡広信先生語録より)
- 大学入試センターは、受験生に人気のある参考書もチェックしているらしい(確認不能)。
英語
- 英文自体はそれほど難しくないが、試験時間の割に量が異様に多い。
難易度的には、YouTubeのとある動画によればネイティブの小学生でも解けるような問題であるらしい。(リスニングなら言わずもがな)特に帰国子女生ならば、半分の時間で解けるという猛者も。経験が重要。- しかし、あくまで可能であって舐めていると痛い目に遭う。速く解けても間違っていれば元も子もない。速度に拘り過ぎてケアレスミスをしないよう注意。
- 英語が得意な人ほどナメがちであるが、一問の配点が高いこともあって意外に180点以上は難しい。
- 例年、早慶など難関私大合格者でも無対策で受けると、170点程度である。
- 時間配分に失敗したり、紛らわしい選択肢にハマったりすると、得意な人でも大量失点することがある。
- 多くの英語講師は「センター試験程度は読めれば解ける」と思っているが、紛らわしい微妙な選択肢もある。
- センター英語研究は竹岡広信先生が第一人者であるが、基本的に対象者は最低でもセンター英語で8割以上取れる人である。
- つまり、不得意な人(160点未満)が楽して得意になる(180点以上)ような講義・参考書ではない。
- ちなみに竹岡広信先生曰く、「合格は190点以上、人間なら180点以上、それ以外はゲジゲジ。」
- 2019年度の英語は竹岡広信先生の逆鱗に触れた。
- センター試験翌日の補講では「マーク模試みたいやったなぁ!変な問題解かされてんのほんま可哀想やわぁ!」と叫んでいた。
- 一部の信者は師がマーク模試のようだと批判することを試験中に察していたらしい。
- 竹岡広信先生曰く、不要文削除問題は例年よりも「ネチャっとしていた」らしい。
- 学研プライムゼミのYouTubeチャンネルでも怒り狂う
のを必死に抑える様子が見受けられる。 - 「作成部会が作問を面倒臭がって、昔からの問題で使わんったやつの在庫放出大セールやってるみたいやなぁ!」とまでおっしゃっていた。
- あくまで師の推測だが、「今まで良問を生み出してきた作成部会の先生方はみんな新テストの担当に移ってしまった」可能性があるそう。
2020年度の最後の被害者たちが可哀想である。
- リスニングに関しては、近年リスニングへの需要が増しつつあるためか難化傾向にある。出題パターンはほぼ決まっているので、こちらも練習して慣れるしかない。
- 模試では安定して満点を取れていた人が当日8割しか取れないケースも増えている。一問聞き逃したり理解できなくても動揺しないよう注意。
数学
- 数学は当然差が付きやすい。
- 問題そのものの難度としては駿台の中上位層ならコンスタントに90%以上取れるレベルだが、計算ミスが致命傷になりかねない。
- 各問題の処理速度も重要となる。普段の演習では、試験時間より10分短い50分で完答できるよう練習しておくのが望ましい。
- センター試験で合計9割近くの高得点を取るには、国語や社会などの失点をカバーするためにも数学は満点を狙う必要がある(理系、特に医学部志望の受験生)。丁寧に解くことを心がけたい。
- マーク模試でも本試験でも誘導が意味不明な時がある。
- 誘導の意味が掴めなかったとしても、焦ってハマると大問を丸々1題近く落とす羽目になるので、丁寧に解くことを心がけること。
- 2015年度は平均39点という不滅の大記録を打ち立てた。
- 当然歴代最低点である。そもそもの難易度+時間を食いまくる問題などが絶妙に合わさって、主に苦手な人は完璧に撃沈した模様。
- 予備校によっては予想平均点が3割を下回るという異常事態が発生した。
- 流石にこれには作成部会も反省した様子。
- 出題者もセンター対策書を研究しているためか、時短の裏技や汎用性の低い定理や公式は使えないようになっている。
- 逆に言えば、毎回使える技は"裏技"ではなく、「数学として正当な時短の計算方法」ということである。これらは記述答案を書く際にも使えることが多い。
- 結果論的に使える裏技があることもあるが、試験場では思いつかない。すぐに思いつくような人は裏技を使わないでも時間内に解ける。
- 二次試験の数学とは全くの別物。対策をしていないと上位層でも9割以上取れない事がある。特にデータの分析は高校や予備校でも軽く流す事が多く、ナメていると致命傷になる。
- 五藤勝己先生の授業の語録も参照のこと。
- 余談だが、雲幸一郎先生の名言として「センター数学で満点が取れないほどの親不孝はありません」というものがある。
殆どの受験生が親不孝であることが確定した。- 半分ネタだろうが・・・。
- なお、杉山義明先生や雲幸一郎先生をはじめとした駿台の講師陣の多くはセンター数学を良くは思っておられないようである。
- 誘導が下手、わざわざ無駄な回り道をして解くetc.といった諸々の要素がよろしくないらしく、「これでは数学の力を見ることはできない」とのこと。無論、その他の教育関係者でもそう考えておられる方は多いようである。
- 特に雲幸一郎先生は
駿台随一と評されるお得意の毒舌でセンター数学をボロカスに批判される。- 「こんなズルみたいな試験をしているようでは日本が滅びてしまいます」とまで仰ったらしい。
流石である
- 「こんなズルみたいな試験をしているようでは日本が滅びてしまいます」とまで仰ったらしい。
国語
- マーク式という性質上、二次試験とは打って変わって国語で差が付きやすい。
- 得意な人でもなかなか180点は超えないが、ハマると130点くらいしか取れないこともある。
- 一問あたり8点など配点が非常に高いのが主な原因。
- そのため国語の自己採点は心臓に悪い、という生徒が多い。一問ミスっただけでも全体の得点率が1%下がるのであるから、当然といえば当然だろう。
- そのくせ時間制約が非常にキツイ(1問で20分という計算になるが、年度によっては30分くらいかかるような問題が出る)。毎回時間オーバーとなる生徒が続出する。
- 「これでは読解力ではなく主に情報処理能力を問う試験ではないか」、「設問は良いのに、時間がこれだけしかないのはもったいない」と言った批判もたまに聞かれる。
- 時間に対しての分量の多さゆえ、4題のうち一つでも難易度調整をミスしたような問題が出ると、平均点が見事にガタ落ちする。
- 2013年の評論と小説、2014年の古文と漢文がその代表である。
- これら2件に関しては国語教育関係者から非難が殺到したらしい。
- 総合的に見れば、(特に現代文は)非常に良く練って作られた良問であり、中野芳樹先生、小泉徹先生、果ては東進の批判魔林修氏らをはじめとした全国の現代文講師を毎年唸らせている。
評論
- センター国語の中では比較的解きやすい問題が多い。
- 満点を取れることもあるが、ハマるとボロボロ失点する。
- 数年に一回随想が出題されるが、その時は難度が高く平均点が下がりやすい。
- 2015年度のツイッターに関する問題、2016年度のリカちゃん人形の文章など、
受験生をリラックスさせるための配慮なのか腹筋を崩壊させに来る年も見られる。平常心を失わないよう注意。 - 2013年度小林秀雄の「鐔」が出題され、後述の小説との相乗効果で当時の最低平均点を記録した。
- とある大学教授は「意義を欠いた好みの押し付け」として新聞に寄稿し、この出題を猛批判した。
- 今までにない随想形式、今までにない設問の設定の仕方、受験生にはおおよそ分かりにくい話題、語注が古文より多い21個etc.が原因となり、受験会場を阿鼻叫喚の地獄絵図へと変えた。
- 「根拠の薄い出題」とよくれているが、実際のところは本文中に答えの根拠はしっかりとある。が、それを差し引いても普通の受験生としてはそれが非常に掴みづらい。
- たいていはセンター国語を絶賛している東進の林修先生も流石に「問題は良いが、80分の試験ということを考えると大いに疑問が残る出題」、「語注の多さにより読むリズムがズタズタに引き裂かれるなど、受験生の心理状態や時間制約の事への配慮が足りない」として強い批判を加えていた。
小説
- 得意な人は無勉でも満点が取れることがある。また、あまり勉強してこなかった人が無根拠(読解法などは一切用いない)のフィーリングで高得点を叩き出すこともある。
- 反面、小説という性質上、ハマると評論以上に崩壊(大量失点)することもある。
- 評論と比べれば問題文が長くなる。スピードも重要。
- 主人公と周囲の人物の心情をメインに素早く正確に読み進めていこう。
出題者が高年齢のためか、戦前〜高度経済成長の社会を舞台にしたものが多く、状況や言動に時代錯誤な内容が見られる事もある。あまり気にしない事。- 最初の小問では語句の意味を問うてくるが、これが侮れない。辞書通りの意味で答えると不正解になるケースも見られる。文脈に応じて柔軟に対応すべし。
- 評論同様、受験生の腹筋を崩壊させに来ることがある。ネタとしてはこちらの方がインパクトが強いかも。
- 2011年度の「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ!」、2014年の「あははははははは」「おほほほほほほほ」、2017年の「おっぱい。おっぱい。」など。
- 2013年度、『地球儀』という小説が出題され、前述の『鐔』の出題も相まって、当時の最低平均点を記録した
- 作中作という今までに見慣れない形式はさることながら、まず普通に読んでても理解しにくい表現があるのが原因。
尚、この作品内での「スピンアトップ、スピンアトップ、スピンスピン、スピン・・・」、「フーエーヤー?フーエーヤー?・・・チョッ!」なるフレーズは受験生の腹筋を殺しにかかった。受験生もスピンスピンスピンした。- ちなみに「チョッ!」は「ちぇっ!」(舌打ちの擬音語)と同義。明治大正・昭和中期くらいの小説ではジャンル問わずよく見られるフレーズである。
古文
- 本文自体が難しい、量が多い(時間が足りない)、選択肢が紛らわしいと三拍子揃っている。
- 二次試験とは全くの別物。本文自体は東大や京大の方が易しいとまで言われている。
- 十分な知識、スピード、読解力がないと高得点は厳しい。
- 受験生間の不公平を防ぐためか、基本的にマイナーな出典から出題される。
- 『源氏物語』などの有名な作品から出されることもたまにあるが、その場合でも知名度が低い、多くの人が知らない場面を出して来る。
- 選択肢が「出題者が背景知識豊富な専門家だからこそ言える、本文だけからはこんなことはわからない」ことがあり、消去法(とヤマ勘)でいくしかない。
- 例年、数学ⅡBと並び受験生キラーとなりがちな悪名高い分野である。
- 2014年度、センターには絶対に出題されないとされていた『源氏物語』が出題され、漢文の難易度も相まって、平均が5割を切るという異常事態が発生した。ちなみに2013年度も平均は5割とちょっとという凄まじい難易度であり、それよりも更に難化したのである。
- 東大、京大志望ですら7割後半取れてれば万々歳、というほどであった。相当であろう。
- やっていればわかると思うが、源氏は主語省略+敬語のオンパレード+単語レベルが高い、ということもあってセンター程の試験では出ないとされていた。
- もちろん、これに関してはあらゆる箇所からクレームが殺到した。
- 関東古文科の秋本吉徳先生は、これについて、
受験生の大半が絶望の底に叩き落とされたことをネタにしつつもこの源氏の出題はセンターの出題としては難易度がおかし過ぎる、という趣旨のことを仰っていた。 - 秋本先生曰く、大学教授の仲間内では既にこの問題の作問者は割れているらしく「間違いなく自分の体験を元にこの文章を選んだ」らしい。
要するにその人は浮気したということである。 - また、某師は「本番で出てしまったらどうしようもない問題」として苦言を呈していた。
- 関東古文科の秋本吉徳先生は、これについて、
- ちなみに、「あさきゆめみし」や「源氏物語」をあらかじめ読んで、場面が分かっていればある程度は解きやすくなるが、それを差し引いても難しい。
- この問題に各方面から非難が殺到したためか、翌15年の本試はかなり易化した。
漢文
- 難化して久しく、『漢文 早覚え速答法』(学研プラス)だけで通用したのは2007年度以前の話。
- 「センター漢文は楽勝」などという莫迦がまだいるので要注意。
- 漢文に限らず、模擬問題は知識偏重であることが多い。
- 満点を取れることもあるが、決して簡単ではない。
- 難化した2008年度以降の過去問を自分で解いて判断しましょう。
- 句形はもちろんのこと、対句に注目させて読み下しを選ばせる問題も多い。
- 理系でも『漢文ヤマのヤマ』(学研プラス)程度はやっておこう。
物理
- 全体的に標準的な問題が多く、難関国公立大学理系志望の受験生なら安定して9割前後は狙える。
- 平均点調整(満点潰し)のために、比較的力がある受験生を間違わせる「センター試験プロパー(特有)の問題」や「盲点を突く」系の問題や出題される。
- センター試験プロパー(特有)の問題というのは、選択肢形式だからこそ出題されるような問題のことで、小問や、グラフ選択問題、正誤問題などで、私大・二次試験対策をしていても解けるようになるとは限りません。基本事項を勉強して基本的な問題が解けるようになったら(もしくは、マーク模試を受けてみて、点数が取れないようなら)、
河合出版の『マーク式基礎問題集』等、専用の問題集を使って対策しましょう。 - 「盲点を突く」系の問題は、教科書にしか載っていない情報を問うて来る。
- 教科書にしか出ていないけれども、受験物理では軽視されがちな部分を、わざわざ問題にするような小ずるさが、センター試験の出題者において発揮される危険性があります。この人たちのセコさ、ズルさ、陰険さを考えた場合、教科書または教科書ガイドをミッチリ読み込んでおいて、手抜かりのないようにしておくことは必要でしょう。(ウェブサイト「ゆきんこの勉強法」より)
- センター試験プロパー(特有)の問題というのは、選択肢形式だからこそ出題されるような問題のことで、小問や、グラフ選択問題、正誤問題などで、私大・二次試験対策をしていても解けるようになるとは限りません。基本事項を勉強して基本的な問題が解けるようになったら(もしくは、マーク模試を受けてみて、点数が取れないようなら)、
- 絶妙な引っかけも時折見られ、計算ミスをした際に算出される数値が選択肢に入っていることも多いので丁寧に解くことを心がけたい。
- たまに「選択式でなければ難問」も出題される。
- 駿台のセンター対策では高井隼人先生が人気。
- 2015年度までは、棒人間が観測者を勤めていた。しかし2016年度から、
何故か眼鏡をかけた少年と女子学生が棒人間に代わって観測者となる。2019年度で2人は姉弟関係である事が判明した。共通テストで活躍に期待したい。
化学
- やや癖があるものも見られ、慣れていないと意外に高得点は取れない。
- 計算問題も桁数が多かったりとシンプルとは限らない。
- 知識確認系の問題では重箱の隅を突いてくる事がある。
- 二次試験対策では優先度があまり高くない無機化学やコロイドの範囲は失点に繋がりやすいので要注意。配点の関係上、知識問題で失点すると9割は絶望的になる。
- 選択肢も「例の方法」や「津田秀樹式裏ワザ」が通じないように工夫されている。
生物
- 「選択式でなければ(東大・京大を凌ぐほどの)難問」が含まれることもあり非常に
陰湿良質な問題が多く並ぶ。 - 最新の生物学の知識が考察問題として必ず問われており、単純暗記だけでは対応し切れない上に短時間で設問文の情報を処理する能力も要求される。
- 安定して9割以上をキープするためには生物の筆記試験がかなり得意な学生でもプロパーの対策が必要なことが多い。
- 知識偏重だったり実験重視だったりと、年によって出題にブレがある。
- 文系の生徒の多くは生物基礎を選択する。
- 暗記の比重が他の理科基礎と比べて大きいためである。
- しかし、ある程度理解できていないと解けない問題を出すことがあるので、暗記だけで乗り切れるわけではない。
- 大森徹先生もセンター生物基礎の対策本を出しておられるので、そこそこ需要があるのだろう。
地学
- れっきとした選択科目であるにも関わらず、理系では地学選択の人をほとんど見ない。
- 漫画『ドラゴン桜』では物理、地学選択で東大理Iに挑んでいたが、そのようなケースは非常に稀である。
- 昔から東大・京大理系受験生が裏技として選択することはあるにはある。
- しかし、文系では地学基礎選択の受験生がちらほら。
- 講師などの詳細はこちらの地学科を参照。
- 物理基礎、地理選択だとやや有利かも知れない。
- 難化しても被害者が少ないため話題にすらならない。
世界史B
- 暗記が多い一方で、時間をかければほぼ確実に高得点が取れると言われている。
- その代わり対策に費やす時間が膨大であり、高得点を取った東大理I現役合格者は「ひょっとすると今年は(二次の)数学よりも時間をかけた」そうだ。
- 7〜8割くらいで安定するにはそれなりの勉強量を要するが、ある程度慣れていけば9割近くで安定させることができるのも魅力。
- 中世ヨーロッパやフランス革命以降は複雑な国際情勢が関わっている(そしてセンター頻出である)ため非常に覚えにくく、暗記が苦手な人はそれなりの覚悟が必要。
- 出される所が割と固定化している。聞き方は違うが結局同じようなのが過去問や模試にある、というパターンもちらほら見られる。
- 出来事が何世紀に起こったのか、そしてその時の治世者は誰か、などを抑えていくと効果的。
- ある程度年号も覚えておいた方が良い。というか年号を覚えてないとほぼ解けない問題が出題されることもある。
- 浪人して社会の選択を世界史に変える高卒生も見られる。
- センター試験で高得点が求められる医学部志望者の間では、世界史選択の割合が他学部志望より高いそう。
- 国語や数学、英語などの時間制限が非常に厳しい教科に比べれば、時間制限はそこまでキツくない。
- 上位層(≒安定して8〜9割を取れる層)ともなると、30分くらいで解き終えてしまう人もいる。
- その時間を使ってミスがないか、見直しを徹底しよう。
- 実際、気づかないうちに凡ミスなどで失点してしまっていることもあるので注意。
- 近年は「日本史は世界史の一つ」という考えが広まったためか、日本史絡みの問題を出すことがある
- とはいえ中学レベルで済むことが殆どである(元寇や鎌倉幕府成立の年、など)
- また、1990年代や2000年代など本当につい最近の事を聞くことがある。教科書の最後の方に書いてあることなので、意外と盲点となりやすい。
- たまにニュースで取り上げられる事柄が出る事もある(パレスチナ問題など)
- 普段からニュースを見ている人にとっては取り組みやすいだろう。
日本史B
- 知識量が膨大かつ(センターレベルのみならば)無味乾燥としている分、作問は極めて単純、かつ安定している。
- そのため理系では、9割を安定させたくて、コツコツとできる自信がある人は選択することが多い。やることをやっていれば会場での精神的負荷がとても小さいのも魅力。
- 特に中学までの歴史が得意かつ好きならば、それに付け足す勉強だけで良いのでオススメである。
- ただ、残念な事に理系の日本史選択者はあまりいない。高校によっては授業すら無いということもある。
- 社会科全てに共通するが時間をかけてやらないと思い通りの点数には届かない。
- 高得点を取りたいのならば為政者の順番を押さえるのが必須となるが、その暗記が中々辛いところ。
- 根気良く覚えておかねばならない。語呂合わせなどを使うのも良いだろう。
- 特に近現代では内閣が登場するが、基本的にその順番は全て覚えておかなければ点数は見込めない。
- ある出来事がどの内閣で起こったのかも押さえておく必要がある。しかし、押さえて仕舞えば、近現代に関してはある程度の点数が見込める(特に年代整序は面白いように解けることもある)。
- 文化史の分野は、何故かよく出る年とあまり出ない年が交互にやってくる。駿台では文化史については通期では扱わないため、季節講習で補填する事も視野に入れて置いた方が良い。(特に良く出る年に受験する場合)
トップ層は15分程度で解き、15分で見直し、残り30分は第二解答科目へ進む。もちろん満点。関東の某講師は選択肢を切るだけなら10分弱で解き終われるとか。
地理B
- 理系の受験生は地理を選択することが多いが、国語に次いで差が付きやすい。
- 暗記こそ少ないが、問題のジャンルが幅広く理解力、思考力が問われる。
- 問題が独特かつ年度によって傾向や難度がブレる事が多い。独学では特徴が掴みづらい。
- 2018年のムーミンの問題など社会的に炎上したケースもある。(一部報道が勝手に騒いでいただけのような印象はあるが・・・)。試験後数ヶ月間、ムーミンの舞台を巡ってフィンランド大使館をも巻き込んだ問題となり、一部からの批判も相次いだ。
- 実際にはムーミンの知識がなくとも解ける問題であり、良問であるとするズレた意見もあるがが、問題は知識の有無ではなく奇をてらった出題で生じる受験生の動揺である。
- なお、岡田了一郎先生はこの問題を的中させていた。
- 上記の理由から運、問題との相性などと言われがちである。
- しかし、満遍ない知識、思考力を問う非常に良問であり、毎年全国の地理講師を唸らせ続けている。
- 本試験は高い思考力(総合的な地理的思考力)を問うている。
- 「ある特定の知識だけ」で解けるものはあまりなく、日常の体験や地理の学習で得た知識・理解を総動員し、思考プロセスを組み立てる過程に焦点が置かれている。
- 本試験で出題される問題は、4択正誤判定、写真、文章、読図統計など様々あるが、ほぼ全ての問題が様々な切り口で解けるようになっている。常識的な感覚、地理的な理解を元に、様々な知識の組み方で正解に辿り着ける。
- 高い思考力が必要とされる反面、知識の量と質については多くはなく、難しくもない。
- 高校地理の内容より、中学地理の内容を完璧にマスターすることを最優先に考える。
- 基礎を固めるという意味合いもあるし、どうしても高校地理の学習では疎かになる日本地理の学習対策という意味合いもある(センター試験では意外なほど日本地理が出題されている)。
- 実際、中学地理の知識をしっかり固めておけば、思考力さえ十分であるなら、センター試験70〜80点は固く、それ以上の高得点が狙える場合もある。
- 高校地理の内容より、中学地理の内容を完璧にマスターすることを最優先に考える。
- 予備校の予想問題が特にあてにならない科目であると言える。
- 総じて知識偏重であり、読図統計の問題であっても「ある特定の知識」の有無を測る問題が多い。思考プロセスに焦点が当てられていない点で本試験とは全く異なる。
- 模試の問題は、様々な場面に応用可能な知識よりも「マイナーな知識」が問われる傾向があり、これで受験生の成績を振っている感がある。
- ある特定の場面でしか使えない知識が問われる傾向にあり、これを復習して覚えてもあまり本試験の対策としては役に立たない。(模試の問題よりも過去問をやれと言われる所以である)。
- 日本史や世界史のように満点を狙いに行くのはかなり厳しい。
- 理系の地歴ではこの地理が選択されるケースが多い。
- 中学の地理さえ固まっていれば高得点が狙え、数学や理科など本当に時間をかけるべき科目に時間を回せるから、という理由の人がほとんどなように思われる。
- 「歴史は暗記だから苦手」というイメージや先入観を持つものもいる。
- 「どんな時であっても高得点で安定させたい」、「暗記はそれなりにできる」というのであれば日本史や世界史の選択を勧めるが、そこらへんは個人に任せる。
- センター地理のスペシャリストとしては岡田了一郎先生が挙げられる。
公民
- 地歴公民の中で最も覚える量が少ない。
- 年度によって難易度が乱高下する科目。
- ほとんどの受験生は、面白本(あるいは学研のNシリーズ)程度はこなしてくる。
- 差をつけるにはそれ以上の勉強が必要で、公民という科目の特性上、高得点を狙うのはコスパが落ちる。
- 趣旨問題、グラフの読み取り問題が散見される。
- これは新テストの実験となっている。
- 8割手前までの得点には、コスパが高い。
- 結果的に9割以上取れることもあるが、安定して9割以上取りたい人は選択しない方が良い。
倫理
- 「倫理」は、楽勝科目であったのはかなり前の話で、細かい知識や国語力も問われるため、選択には注意が必要。
- 他の地歴科目以上に科目との相性にも左右される。
- 相性の良い人は学習が苦になることはないが、哲学等が苦手な人は覚える量が少ないからといって安易に選択すると痛い目を見る。
- 知識面では、山川の用語集では不足で、清水書院の用語集レベルの知識が必須となる。
- 未だに年配の講師(倫理担当以外)や職員などは「倫理は楽勝科目」と言うこともあるのでは真に受けないように。
政治・経済
- (G)MARCHや関関同立の政経選択者でもなかなか9割は取れなくなってきている。
- 特に2018-19年度は非常に難しく受験生を悩ませた。しっかり勉強しないと厳しい科目である。
- 日頃からニュースなどをしっかり見ていれば、案外勉強しやすく簡単だったりすることもある。
- 高得点を狙うには二次・私大レベルの勉強が必要となるが、二次・私大レベルの勉強をしたからと言って必ずしも高得点を取れるとは限らないという矛盾を孕んでいる。
倫理,政治・経済
- 難関大学を中心に公民教科のいわゆる「倫政しばり」をしている大学が多い。
- 理系では地理の次に選択者が多い科目。
- 両科目の現代社会分野がダブるので、範囲は単純足し算よりはやや少なくなる。
- 問題は全て倫理と政経の使い回しであり、倫政オリジナルの問題はない。
- 倫政の優れた参考書はほとんどなく、高得点を狙うにはそれぞれの科目の参考書で勉強するしかない。
- 政経に関しては、関東駿台と東進でも教えている清水雅博師の政経ハンドブックが良いかもしれない。
現代社会
- 「現代社会」は人によってはゼロ勉でも6~7割取れることもあるが、安定して9割以上取るのは至難の業である。
- 理系で地歴より試し受験の現代社会の方が高得点だったということもある。
- 勉強せずに6割取るには普段から新聞やネットなどで政治や経済に触れていなくてはならない。6割を勉強せずに取れると言うのは、「漢文が簡単」というのと同じでごく一部の人だけの話である。
大学入試共通テスト
- センター試験は2020年度試験(2020年1月実施)をもって廃止され、新たに「大学入学共通テスト」を行われる。そのため、駿台の「センター対策」と書かれた授業や教材も全て名前が変わると思われる。
- 記述式導入を初年度は見送ることが発表されたため、今後の動向に注意が必要である。